Friday, July 10, 2009

製品としての酵母


酵母のはなし vol.1のつづき。

酵母は製品として売られています。

ぱっと見たところ、
ドライイーストみたいなものです。
粗めのお粉で、さらさらの顆粒状。

ドライイーストのように使えるものもあれば、
酵母を生きた状態に戻す「種おこし」が必要なものもあります。
他にもイーストを混ぜて、酵母の香りを楽しみながら
安定したパン作りができるようにしたものもあります。

■代表的な製品酵母

・ドライイーストのように使えるもの
→白神こだま酵母

・種おこしの必要なもの
→ホシノ天然酵母、あこ天然酵母、など

・混合型
→パネトーネマザー


手に入りやすいものはこのくらいです。

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種おこしというのは、
粉状になっている製品に水を加えて適温に保温することで
生きた菌に戻す作業です。
ホシノ天然酵母で24時間~30時間、
あこ天然酵母で30時間~くらい保温します。
そうすると、お酒のようなにおいがして
ぷくぷく発酵した粕汁のような状態になるんです。
これを、粉やほかの材料と共に捏ねます。

自家製の酵母に比べると、
とても発酵力が強く、時間はかかりますが
安定してふんわりしたパンを焼きやすいです。

ホシノ天然酵母は、種類がいくつかあって
それぞれ香りや仕上がりのイメージによって使い分けます。
どれもものすごくうまみがあって
小麦の味に負けないくらい風味よく焼き上がります。

あこ天然酵母というのは、
まだあまり知られていませんが、
ホシノ天然酵母とよく似た製品です。

裏話としては、ホシノ天然酵母の会社から
独立した職人さんが立ち上げた会社です。
歴史あるホシノ天然酵母の当初のやり方を貫こうという、
とても志のある方が作っています。
その話を聞き、もっと売れるようにアシストしたい!と思ったものの
ホシノの安定したファン層にはなかなか浸透しないみたいです。

ちなみにホシノとの違いは、酵母独特の香りの強さです。
あこは、かなりさっぱりした仕上がりになるので
副素材を活かしたいパンにはぴったりです。
ホシノの香りが苦手な方にはおすすめです。


パネトーネマザーはパネトーネ菌とイーストの混合の製品。
種おこしは必要ありません。
これもドライイーストのように使うことができます。
仕上がりは果実のようなフルーティーな香り。
甘めのパンにもよく合います。
イーストが混ぜてあるので、とても安定していて
発酵時間も早め。

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どうでしょう?
一口に天然酵母といってもいろいろでしょ?

いわゆる「天然酵母使用」のパン屋さんも、
「自家製」の表記がなければ製品を使っていることも多いようです。
聞いても教えてくださらないところも多いのですが
おそらく白神か、ホシノかな?と勝手に想像しています。

安定しているので、おうちでもコツさえつかめば
上手に天然酵母パンが焼けます。
ほんと。

時間がかかるけれど、
待ってる間はほっておくだけ。
リズムに合わせられるようになれば
たとえば寝る前に捏ねて朝焼く、とか、
週末だけ焼く、とか、
暮らしに溶け込んでパンが焼けるようになります。

おうちで焼いたパンって、
どのパン屋さんよりも絶対に美味しいです。
で、めちゃんこかわいいです。
生地がとてつもなく愛おしいです。
育っていく様子も楽しいです。

ぜーったいおすすめ。

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